うつ状態といわれて

 6月、寝ようとしても頭の中で仕事のことやいろんなこと(ひどいときは音楽が流れてきてとまらない)がぐるぐる回る感覚に襲われるようになった。当然、朝は寝たようで寝た感じがしない。ふぬけの感じのまま満員電車で仕事場へ。効率が上がるはずもなし。
 そんなある日、風邪気味になったのも手伝ってか、食欲ががくーーーーんと減った。あとできいたら、別のスタッフが「Kさん、大丈夫なのか?」と心配してくれていたらしい。
 で、とうとう大事な会議のある日にどうにも起きられず、初めて「心療内科」の門をくぐった。
 症状や昨今の環境の変化などを聞かれ、『うつ状態』と診断、たくさんの薬を処方された。
 早速インターネットのお薬100番で薬をチェック。安定剤の『エチセダン』、抗うつ剤の『スルピリド』、抗うつ剤アモキサン』、精神刺激剤『リタリン』、睡眠薬の『アサシオン』『ロヒプノール』・・・こうして書いてみてもずいぶんの量だ。(ちなみにあとでもう1種類抗うつ剤が増えた)てっきり不眠の薬くらいだろうと思っていた自分はたいそうびっくりした。と同時に、『自分は『うつ状態』なのだ』ということがわかったようなわからないような、受容できてるようなできてないような、不思議な感覚にとらわれた。
 その後も仕事は何とか続けつつ、診療に通った。薬の量が微妙に増えていく。
 頭痛によく襲われるようになったのもこの頃だ。そして、食欲不振はずっと続き、もともとやせ気味の私は『またやせたんじゃないですか?」と周囲に心配も掛けた。
 そして、とうとう朝起きれない、仕事中頭痛に襲われる、やる気が何も沸いてこない、などがしょっちゅう現れるようになり、遅刻や早退が続き、上司のアドバイスも受けてクリニックを変更してみた。こんどはずばり『精神科』だ。
 実は私はペーパー精神保健福祉士なので、精神科の受診には何のためらいもなかった。ただ、現在でも『精神科』の言葉には拒否感を覚える人が数多くいることは理解しているつもりだ。
 診察の結果、リタリンは廃止。この薬は一種の覚せい剤的なもので、賛否両論の激しい薬だということは知っていた。そしてアモキサンは増量、あとは名称違いで内容はそのまま(アサシオン⇒ハルシオンエチセダンデパス、など)。そして1ヶ月の休職が決まった。